このページは、Flashの達成方法のためのユーザーエージェントサポートノートを記載する。
Adobe Flash Player は、クロスプラットフォームなブラウザのプラグインである。Flash Player によって表示されるコンテンツの制作者は、映像サポート、オーサリングの好み、ベクターベースのグラフィック能力などの様々な要因から Flash Player を用いてコンテンツを提供したり、Flashの標準コンポーネントを利活用したりすることを選択する。 コンテンツ制作者がFlashを用いるそういった動機が何であれ、他のウェブコンテンツ技術を用いたウェブコンテンツと同様に、Flash Player で提供されるコンテンツが WCAG 2.0 のアクセシビリティ基準を満たすようにすることは重要である。
Flash Player は、アクセシビリティのビルトインでのサポートと、コンテンツ制作者およびオーサリングツールがコンテンツをアクセシブルにするために利活用できる性能とのコンビネーションを提供している。 Flash コンテンツ制作者は、アクセシブルな Flash コンテンツを制作するためには次のどのツールを用いてもよい (ただし、必ずしもこれらに限定されない)。
Flash MX, MX2004, 8, CS3, CS4, CS5
Flex 1.5 以降
Flex Builder 2, Flex Builder 3, Flash Builder 4
Flash Catalyst 4
その他、Adobe Presenter、Adobe Captivate など
全盲の利用者、ロービジョンの利用者およびその他の支援技術利用者向けに、Flash Player は2001年に Flash Player 6 でアクセシビリティAPIのサポートを実現した。 Flashのアクセシビリティに関する支援技術サポートは、Flash コンテンツに関する情報を支援技術に正しく伝えるという点においては、MSAA (Microsoft Active Accessibility) インタフェースと Flash Player 特有のインタフェースに依存している。 支援技術のサポートは、次の組み合わせによる閲覧環境の利用者に対して提供されている:
Windows 上での Internet Explorer 6 以降とFlash Player 6 以降の組み合わせ
Windows 上での Mozilla Firefox 3 以降と Flash Player 9 以降の組み合わせ
支援技術によるMSAAのサポートは、次のような支援技術製品で提供されている (ただし、必ずしもこれらに限定されない)。
JAWS (4.5 以降)
Window-Eyes (4.2 以降)
NVDA
ZoomText (8 以降)
Flash Player は、マウスを使用することのできない利用者向けにキーボード操作もサポートしている。キーボード操作のサポートに関しては、Internet Explorer で用いられている Flash Player の ActiveX 版が最も高いレベルだが、Mozilla Firefox でのサポートを提供するための達成方法もこの文書で提供されている。 「WCAG 2.0 達成方法集」で紹介されているように、Flash コンテンツ制作者はパブリッシュしたコンテンツ内でのタブ順序を制御することができる。
Flash player は、映像を表示するのに用いられることが多く、あらゆる言語のクローズドキャプションやサブタイトルを提供することのできるテキストトラックがある。 また、音声ガイドを提供できるように複数の音声トラックも用意されている。さらに、視聴覚コンテンツに手話通訳の提供を可能にする映像トラックも複数ある。
現時点では、Flash Player はWindows OSによるハイコントラストモードやテキストのサイズ変更をサポートしていない。しかし、Flashコンテンツ制作者は、Flashによるカスケーディングスタイルシート (CSS) のサポート、その他の標準搭載スタイルのサポート、 あるいはFlashの画面フィルタ機能を利用することによって、Flashベースのインタフェースを大きめのテキストで閲覧可能な代替ビュー、代替フォント、あるいは代替ハイコントラストカラースキームなどを提供することが可能である。
支援技術向けのFlashによるアクセシビリティのサポートは、Windows OS上で、Internet Explorer 6以降 (Flash Player 6 以降) または Mozilla Firefox 3 以降 (Flash Player 9以降) を使用した場合に限られている。
Flash Playerに関する詳細な情報は、Adobeサイトで提供されている Flash Player FAQ (英語) を参照のこと。
2.4.2 ページタイトル - 達成基準 2.4.2 を満たすためには、Flash コンテンツは title 要素によるページタイトルを有した HTML のウェブページ内に埋め込まれていなければならない。 H25: title 要素を用いて、ページタイトルを提供する (HTML)を参照のこと。
3.1.1 ページの言語 - Flash コンテンツの言語は、FlashのSWFファイル自体ではなく、HTMLにあるobject要素を含んだ部分のlang属性によって示される。また、コンテンツ制作者は、object要素のlang属性によって異なる言語をそれぞれに示した複数のFlashのSWFファイルを一つのウェブページ内に埋め込むことができる。 FLASH13: Flash コンテンツの言語を指定するために、HTML の lang 属性を使用する を参照のこと。
3.1.2 一部分の言語 - Flash コンテンツの言語は、FlashのSWFファイル内では示すことができないため、現時点ではSWFファイル内での言語の変更を示すことはできない。
ユーザーエージェントによるサポートに関する全般的な情報は、Flash のユーザエージェントによるサポート を参照のこと。
JAWS 8.0 以降は、言語属性に基づいて自動的に言語を変更するように設定することができる。ただし自動的に切り替えることができるのは、プライマリコードで指定される主要言語のみである。 言語のサブコードによって地域的に変異した言語が指定されている場合、JAWS は設定されているデフォルトの主要言語を使用する。
この実装方法が対象としている問題は、Internet Explorer 以外のブラウザのみで発生する。ただし、現時点では、この実装方法で対処できるのは、WindowsとOSX上のFirefox、OSX上のGoogle ChromeとSafari 5である。 ChromeとSafariのWindows版は、今のところプラグインの中へフォーカスを移動させたり、プラグインから外へフォーカスを移動させたりすることができない。また、この実装方法が動作するためには JavaScript を有効にする必要がある。