適用 (対象)
あらゆるウェブコンテンツ技術
これは達成基準 3.3.4: 誤り防止 (法的、金融、データ) (十分な達成方法) に関する達成方法である。
解説
この達成方法の目的は、利用者が自身の入力した内容を確認し、送信の準備ができたことを示すために選択しなければならないチェックボックスを提供することである。これは、後で入力エラーが発見されてもやり直しができない、または実行の結果データが削除されるような性質の処理においては重要である。コンテンツ制作者は、ページが読み込まれた時には選択されていないチェックボックスを提供し、「入力内容に間違いはなく、送信準備ができました」、又は「このデータの削除に同意します」のようなラベルを付加する。このチェックボックスは、利用者が送信の過程で気づきやすいように、送信ボタンの近くに配置するべきである。そのフォームの送信時にチェックボックスが選択されていない場合は、入力を受け付けず、利用者に対して入力内容を確認の上、チェックボックスを選択し、再送信するように促す。チェックボックスが選択されているときだけ、送信された内容を受け付け、処理を行う。
このチェックボックスは、フォームを誤って送信してしまった場合の影響を抑制すると同時に、利用者に対して入力内容が正確であることを確認するように促すことができる。この方法は、単に送信ボタンに「入力内容に誤りがなければ送信」というようなラベルを付加するよりも安全な方法である。送信ボタンとは別のコントロールとしてチェックボックスを提供することで、処理を続行するために利用者はチェックボックスの選択と送信ボタンの動作の両方をしなければならず、「ダブルチェック」を強制させる。したがって、これは送信内容を確定する前に、入力内容を見直し、正確さを確認し、訂正するためのメカニズムである。
利用者がチェックボックスを選択せずに送信した場合、再送信のためのフォームで、これまでに入力した情報を再入力する必要がないようにすべきである。
事例
- あるオンライン銀行サービスでは、異なる通貨の口座間で資金を振り替えることが可能である。為替レートは常に変化しているため、取引が実行された後に利用者が入力に誤りを発見した場合に、その資金を同じレートで再両替できない。「振り替え元口座」、「振り替え先口座」、「金額」のフィールドに加えて、「振替金額が正しいことを確認しました」というラベルのチェックボックスがある。利用者がフォームを送信するときにこのチェックボックスが選択されていない場合は、取引は実行されず、利用者に通知される。チェックボックスが選択されている場合は、(取り消しできない) 取引が実行される。
- オンラインで支払いを可能にするシステムでは、支払いを可能にするために利用者の銀行口座情報を保持している。新しい口座に関する情報を入力し、その口座がその利用者のものであることを確認するための複雑な手順が存在する。古い口座を削除する機能があるが、誤って口座を削除した場合、その口座を復活させるのは難しく、それまでのその口座に対する処理の記録は失われてしまう。したがって、利用者が口座の削除を行うことができるページには、「この口座の削除を確認します」というラベルを付加したチェックボックスが配置されている。利用者がこのフォームを送信したときにこのチェックボックスが選択されていない場合は、口座の削除は行わず、利用者に対してはエラーメッセージを表示する。このチェックボックスが選択されているときのみ、口座の削除を実行する。
- あるショッピングサイトの精算フォームには、注文、配送、及び請求情報を収集するフォームが含まれている。フォームを送信した後に、利用者は、送信した情報が確認のために要約されたページに移動する。要約の下に、「このデータが正しいことを確認しました」というラベルの付いたチェックボックスが表示される。取引を完了させるには、利用者がチェックボックスにチェックを入れて「注文完了」ボタンを有効にしなければならない。
検証
手順
取り消しできない処理が発生する利用者の入力ページの場合:
- 送信ボタンに加えて、入力又は操作に対する利用者の確認を示すチェックボックスが提供されていることを確認する。
- フォームが送信されたときにチェックボックスが選択されていない場合は、入力は受け付けられず、利用者に対して入力内容の確認をした上で、チェックボックスを選択し、再送信するようになっていることを確認する。
期待される結果
- 1. 及び 2. の結果が真である。