PDF 文書内で Link アノテーションと /Link 構造要素を使用してリンクとリンクテキストを提供する

達成方法に関する重要な情報

この達成方法 (参考) の使用法と、この達成方法が WCAG 2.1 達成基準 (規定) とどのように関係するのかに関する重要な情報については、WCAG 達成基準の達成方法を理解するを参照のこと。適用 (対象) のセクションは、その達成方法の範囲について説明しており、特定の技術に関する達成方法の存在は、その技術があらゆる状況で WCAG 2.1 を満たすコンテンツを作成するために使用できることを意味するものではない。

適用 (対象)

リンクを含む PDF 文書

これは、次の達成基準に関する達成方法である:

解説

この達成方法の目的は、キーボードおよび支援技術の利用者が認識できるように PDF 文書内のリンクテキストをマークアップする方法を示すことである。つまり、リンクが別の形式で表示されたときに認識可能であるように、リンク情報をプログラム的に利用可能にする。これは通常、PDF のオーサリングツールを使用して行う。

PDF 文書内のリンクは、そのサブツリー内のリンクタグおよびオブジェクトで表わされ、リンクオブジェクト参照 (リンク注釈) と 一つまたは複数のテキストオブジェクトで構成される。リンクタグ内のテキストオブジェクトまたはオブジェクトは、リンクの名前を提供するために支援技術で使用される。

WCAG 達成基準に適合するリンクを提供する最も容易な方法は、PDF に変換する前の、文書をオーサリングする段階でリンクを作成することである。

ただし、元のオーサリングツールを使用してリンクを作成することができない場合もある。そのような場合は、Adobe Acrobat Pro を使用してリンクを作成することができる。ただし、Adobe Acrobat Pro のリンクダイアログボックスを使用して作成したツールヒントは、スクリーンリーダーからアクセスできないため、そのリンクテキストまたはリンクの文脈で目的を明確にすること。

いかなる場合でも、次の一般的なテクニックで説明されているように、リンクの目的を明確にする必要がある。

事例

参考リソース

参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。

検証

手順

各ハイパーリンクについて、リンクが正しくタグ付けされており、リンクテキストが適切に表示されることを確認する。

  1. PDF 文書をスクリーンリーダーで読み上げると、リンクが正しく読み上げられ、リンクの目的 (例えば、リンク先) が説明されている。
  2. タグツリーを視覚的にスキャンすると、リンクが正しくタグ付けされ、(スクリーン拡大鏡の利用者と、認知障害があるが視力のある利用者向けに) リンクテキストが表示される。
  3. /Link エントリ値を表示できるツールを使用して PDF 文書を開き、ハイパーリンクとリンクテキストを表示する。
  4. アクセシビリティ API を通じて文書を表示するツールを使用し、リンクに正しいリンクテキストがあることを確認する。
  5. 各リンクにタブ移動し、Enter を押すことによりそのリンク先にアクセスできる。

期待される結果

  • #1 又は #2 又は #3 又は #4 の結果が真である。
  • #5 の結果が真である。