【注意】この文書にはより新しいバージョンが存在します: WCAG 2.1 達成方法集
この達成方法 (参考) の使用法と、この達成方法が WCAG 2.0 達成基準 (規定) とどのように関係するのかに関する重要な情報については、WCAG 達成基準の達成方法を理解するを参照のこと。適用 (対象) のセクションは、その達成方法の範囲について説明しており、特定の技術に関する達成方法の存在は、その技術があらゆる状況で WCAG 2.0 を満たすコンテンツを作成するために使用できることを意味するものではない。
HTML 及び XHTML
これは、次の達成基準に関連する達成方法である:
H57 に関するユーザエージェントサポートノートを参照のこと。
この達成方法の目的は、html
要素に lang
属性及び (又は) xml:lang
属性を指定することで、文書の初期設定言語を特定することである。
次のようなさまざまな理由から、文書の言語を特定することが重要である:
点字翻訳ソフトウェアでは、制御符号をアクセント付き文字の代わりにすることや、2 級点字の縮約形を誤って生成するのを避けるために制御符号を挿入することができる。
複数の言語をサポートする音声合成装置は、ページの言語に固有な発音及び構文に適応でき、適切な発音とともに適切なアクセントでテキストを話す。
言語をマークアップしておくことは、将来の技術発展に寄与する。たとえば、言語を自分で翻訳できない利用者でも、なじみのない言語を翻訳するマシンを利用できるようになるだろう。
言語をマークアップしておくことは、ユーザエージェントが辞書で定義を提供するのにも役立つ。
HTML 4.01 では、html
要素に lang
属性を指定する。一方、XHTML を text/html として配信する場合には、XHTML 仕様の要求に合致しつつ、HTML との後方互換性を確保するために、html
要素に lang
属性と xml:lang
属性を指定する。XHTML を application/xhtml+xml として配信する場合には、html
要素の xml:lang
属性のみを指定する。lang
属性と xml:lang
属性の双方には、同じ値のみが指定できる。
注記 1:
HTML は lang
属性の利用のみを指示しているが、XHTML 1.0 は (経過措置として) 両方の属性を認めており、XHTML 1.1 は xml:lang
属性のみを認めている。
注記 2:
lang
属性と xml:lang
属性で指定できる値については、下記の参考リソースで示されている。言語タグでは、その言語を示すために主言語コードを用い、(ハイフン区切りで示す) 任意の副言語コードは言語の異体を示すのに用いる。たとえば、英語は主言語コードでは「en」で示すが、イギリス英語とアメリカ英語は「en-GB」と「en-US」という形で区別できる。この達成方法では、主言語コードの利用が重要である。副言語コードの利用は任意であるが、ある状況では役に立つかもしれない。
訳注 1: HTML 4.01、XHTML 1.0 及び XHTML 1.1 は Superseded Recommendation としてマークされ、廃止された仕様である。
訳注 2: 上記の「主言語コード」及び「副言語コード」は古い HTML に基づいた説明である。現在の HTML に基づいた言語タグの組み立て方については、参考リソースにある「Language tags in HTML and XML」を参照のこと。
訳注 3:
現在の HTML においては、text/html として提供される場合は lang
属性を、application/xhtml+xml として提供される場合は xml:lang
属性をそれぞれ用いればよい。両方の属性を同時に用いてもよいが、その場合は属性値を同じ値にする必要がある。HTML 5.2§3.2.5.2. The lang and xml:lang attributes も参考のこと。
訳注: WAIC では H57 に関するアクセシビリティ サポーテッド(AS)情報を提供している。
2020 年 3 月版の アクセシビリティ サポーテッド(AS)情報: H57 も参照されたい。
この事例では、HTML 文書の内容がフランス語であることを明確にしている。
コード例:
<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01//EN" "http://www.w3.org/TR/html4/strict.dtd">
<html lang="fr">
<head>
<title>document écrit en français</title>
<meta http-equiv="content-type" content="text/html; charset=utf-8" />
</head>
<body>
...document écrit en français...
</body>
</html>
訳注: WAIC では H57-1 に関するアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報を提供している。
2014 年 6 月版のアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報: H57-1 では、「達成可能」と評価されている。WAIC はこの達成方法が検証した環境で広く動作すると判断している。
この事例では、text/html というコンテンツタイプの XHTML 1.0 文書の内容がフランス語であることを明確にしている。XHTML 仕様の要求に合致しつつ、HTML との後方互換性を確保するために、lang
属性と xml:lang
属性の両方を指定している。
コード例:
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.0 Transitional//EN"
"http://www.w3.org/TR/xhtml1/DTD/xhtml1-transitional.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" lang="fr" xml:lang="fr">
<head>
<title>document écrit en français</title>
<meta http-equiv="content-type" content="text/html; charset=utf-8" />
</head>
<body>
...document écrit en français...
</body>
</html>
訳注: WAIC では H57-2 に関するアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報を提供している。
2014 年 6 月版のアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報: H57-2 では、「達成可能」と評価されている。WAIC はこの達成方法が検証した環境で広く動作すると判断している。
この事例では、application/xhtml+xml というコンテンツタイプの XHTML 1.1 文書の内容がフランス語であることを明確にしている。xml:lang
属性のみを指定している。
コード例:
<!DOCTYPE html PUBLIC "-//W3C//DTD XHTML 1.1//EN"
"http://www.w3.org/TR/xhtml11/DTD/xhtml11.dtd">
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="fr">
<head>
<title>document écrit en français</title>
<meta http-equiv="content-type" content="application/xhtml+xml; charset=utf-8" />
</head>
<body>
...document écrit en français...
</body>
</html>
訳注: WAIC では H57-3 に関するアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報を提供している。
2014 年 6 月版のアクセシビリティ・サポーテッド(AS)情報: H57-3 では、「達成可能」と評価されている。WAIC はこの達成方法が検証した環境で広く動作すると判断している。
この参考リソースは、あくまでも情報提供のみが目的であり、推薦などを意味するものではない。
文書の html
要素を調べる。
html
要素に lang
属性及び/又は xml:lang
属性があることを確認する。
lang
属性及び/又は xml:lang
属性の値が BCP 47: Tags for the Identification of Languages 又はその後継仕様に準拠しており、そのウェブページの主言語を反映していることを確認する。
上記全ての結果が真である。
この達成方法が「十分な達成方法」の一つである場合、この手順や期待される結果を満たしていなければ、それはこの達成方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の達成方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。