【注意】この文書にはより新しいバージョンが存在します: WCAG 2.1 達成方法集

WCAG 2.0 達成方法集

Skip to Content (Press Enter)

-

SCR2: キーボード及びマウスのイベントハンドラを両方とも使用する

達成方法に関する重要な情報

この達成方法 (参考) の使用法と、この達成方法が WCAG 2.0 達成基準 (規定) とどのように関係するのかに関する重要な情報については、WCAG 達成基準の達成方法を理解するを参照のこと。適用 (対象) のセクションは、その達成方法の範囲について説明しており、特定の技術に関する達成方法の存在は、その技術があらゆる状況で WCAG 2.0 を満たすコンテンツを作成するために使用できることを意味するものではない。

適用 (対象)

スクリプトをサポートしている HTML 及び XHTML

これは、次の達成基準に関連する達成方法である:

解説

この達成方法の目的は、マウスやフォーカスのイベントによって装飾画像が変化する、機器に依存しないイベントの使い方を説明することである。onmouseover や onmouseout イベントを使って、マウスがページ中のある要素に重なるか、又は離れたときに装飾画像が変化するようにする。また、onfocusonblur イベントを使って、要素がフォーカスされたか、フォーカスを失ったかによって画像を変更する。

下記の例では、アンカー要素の前に装飾画像がある。利用者がアンカータグにマウスオーバーすると、アンカータグの前の装飾画像が変化する。また、マウスがアンカーを離れると、画像は元に戻る。同じ画像の変化は、利用者がキーボードを使ってアンカー要素にフォーカスしたときにも起こる。フォーカスされたときに画像が変化し、フォーカスを失ったときには元の画像に戻る。これは、アンカー要素に onmouseoveronmouseoutonfocus 及び onblur イベントハンドラを付加することで実現できる。このイベントハンドラは JavaScript の関数で updateImage() と呼ばれており、画像の src 属性を変更する。updateImage() は onmouseover、onmouseout、onfocus、及び onblur イベントの応答として呼ばれる。

それぞれの画像には固有の ID が与えられている。この ID はどちらの画像が使われるかを表す論理値とともに、updateImage() に渡される: updateImage(imgId, isOver);。論理値 true は、マウスがアンカー要素に乗った場合、又はそれがフォーカスされた場合に渡される。false は、マウスがアンカー要素から離れた場合、又はそれがフォーカスを失った場合に渡される。 updateImage() 関数は、画像の ID を使用して画像を読み込み、その後に論理値の状態に応じて src 属性を変更する。画像は装飾目的で使用されているので、alt 属性値は空であることに注意する。

注記: サイズの近い画像を使用し、画像要素では幅と高さの属性値を指定することが望ましい。これは、画像が更新されることによりページのレイアウトが変化してしまうことを防ぐ。例では、同一サイズの画像が使用されている。

事例

事例 1

コード例:


<!DOCTYPE HTML PUBLIC "-//W3C//DTD HTML 4.01 Transitional//EN"  "http://www.w3.org/TR/html4/loose.dtd">
 <html lang="en">
 <head>
 <meta http-equiv="Content-Type" content="text/html; charset=ISO-8859-1">
 <title>Changing Image Source in a Device Independent Manner</title>
 <script type="text/javascript">
 /* このfunctionは、img要素のsrc属性値を変更する。
  * param imgId - 変更する画像オブジェクトのID
  * param isOver - true: マウスオーバーしたとき、又はオブジェクトがフォーカスを受け取ったとき
  *                false: マウスオーバーを外したとき、又はフォーカスを外したとき
 */
 function updateImage(imgId, isOver) {
   var theImage = document.getElementById(imgId);
   if (theImage != null) { //could use a try/catch block for user agents supporting at least JavaScript 1.4
                           // These browsers support try/catch - NetScape 6, IE 5, Mozilla, Firefox
      if (isOver) {
        theImage.setAttribute("src","yellowplus.gif");
      }
      else {
        theImage.setAttribute("src","greyplus.gif");
      }
   }
 }
 </script>
 </head>
 <body>
 <p>Mouse over or tab to the links below and see the image change.</p>
 <a href="http://www.w3.org/wai" onmouseover="updateImage('wai', true);" onfocus="updateImage('wai', true);"
   onmouseout="updateImage('wai',false);" onblur="updateImage('wai',false);">
 <img src="greyplus.gif" border="0" alt="" id="wai">
   W3C Web Accessibility Initiative</a> &
 <a href="http://www.w3.org/International/" onmouseover="updateImage('i18n', true);" 
   onfocus="updateImage('i18n',true);" onmouseout="updateImage('i18n',false);"
   onblur="updateImage('i18n',false);">
   <img src="greyplus.gif" border="0" alt="" id="i18n">
   W3C Internationalization</a>
 </body>
 </html>

検証

手順

ウェブページを読み込み、マウス及びキーボードを用いてイベントを検証する。

  1. ウェブページが読み込まれたとき、「通常の」画像が期待通りに表示されていることを確認する。

  2. マウスを使用

    1. イベントハンドラを含む要素の上にマウスを移動する (この事例ではアンカー要素)。画像が期待されている画像に変化することを確認する。

    2. マウスを要素から外す。画像が「通常の」画像に戻ることを確認する。

  3. キーボードを使用

    1. キーボードを使ってイベントハンドラを含む要素にフォーカスを設定する。画像が期待されている画像に変化することを確認する。

    2. キーボードを使って要素からフォーカスを外す (一般的には別の要素にフォーカスを移す)。画像が「通常の」画像に戻ることを確認する。

  4. 画像が変更されたときに、ページ上の他の要素のレイアウトに影響がないことを確認する。

期待される結果

この達成方法が「十分な達成方法」の一つである場合、この手順や期待される結果を満たしていなければ、それはこの達成方法が正しく用いられていないことを意味するが、必ずしも達成基準を満たしていないことにはならない。場合によっては、別の達成方法によってその達成基準が満たされていることもありうる。